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第111回

二人の詩人 〜金子みすずと鬼束ちひろ〜(7/10)


 おもしろ作文倶楽部の授業で金子みすゞさんの詩を使用しました。その際、かなりたくさんの詩を読みました。それらの詩を読みぼくが思ったことは、金子みすゞさんの『やさしさ』についてです。彼女の視点は、常に弱者とともにあります。
 浜は祭りの
 ようだけど
 海のなかでは
 何万の
 鰯のとむらい
 するだろう
『大漁』より

 けれども海のお魚は
 なんにも世話にならないし
 いたずら一つしないのに
 こうして私に食べられる。
 
 ほんとに魚はかわいそう。
『お魚』より

 金子みすゞさんの詩は、様々な形をとりながら、その視線は、常にある一つの思い、弱者への思いに注がれているという印象を持ちました。
 ここで、唐突ですが、様々な形で、ある一つの思いを歌い続ける歌手をぼくは思い浮かべました。鬼束ちひろさんです。いくつか歌詞を引用してみます。

涙で生まれた魔物は
苦痛の霧を晴らせた?
形が無くて頷けない貴方を
私はちゃんと濁せない
『LITTLE BEAT RIFLE』より

完全な醜さで自分を越えて行けるなら何度でも泥を纏おう
不完全な瞬きで綺麗なもの以外全てを消すのならこの眼を捨てよう
『Castle・imitation』より

残酷に続いていくこの路で 例えば私が宝石になったら
その手で炎の中に投げて
邪魔なモノはすぐにでも消えてしまうの ガラクタでいさせて
『眩暈』より

どうか完全なものたちが
そこら中に溢れないように
どうか光り輝くものたちが
二人を侵してしまう前に
『We can go』より

 ここにも、金子みすゞさんとは違う形ながら、金子みすゞさんに通ずるある一つの思いを歌い続ける詩人がいるように思ったのですがいかがでしょうか。「みんなちがって、みんないい」と金子みすゞさんは詩でいいました。いまの子ども達にも、そして、もちろん大人たちの心にも響く言葉だと思います。詩の授業は、またぜひやりたいと思っています。

NEWS青葉台校室長   
三木 裕

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